2024年4月から録音及び録画による点呼記録の実施アルコールチェック時の写真撮影デジタコ装着(経過措置あり)の義務付けがされたところですが、10月1日からは酒酔い・飲酒運転に関する行政基準等の強化が行われることになりました。

そこで、4月施行分と併せて改正内容をまとめておきます。

2024年4月1日施行分(点呼の録画等)

安全な運行を確保するための改正が行われました。

点呼の動画保存

点呼の様子をスマートフォンやPCのWEBカメラ等で運転者を識別できるよう映像と音声を記録し、90日間保存しなければなりません。

アルコールチェックの撮影

酒気帯びの有無の確認時に行うアルコールチェックの際に、検知器による呼気の検査中の顔写真を撮影し、90日間保存しなければなりません。

記録の保存期間の延長

運送引受書手数料の額を記載した書類業務記録運行指示書点呼の記録(電子ファイル保存)の保存期間がこれまでの1年から3年に延長されました。

デジタル式運行記録計(デジタコ)の使用の義務付け

事業に使用する自動車の運行距離等を記録を2024年4月以降に新規登録する車両については、デジタコの使用が義務付けられました。

なお、既存の車両については、2025年4月1日からデジタコの装着が義務付けられます。

また、ボンネットバスのように、年式が古く、デジタコの装着ができない車両については、義務付けの対象外となりますが、複数の運行記録計のメーカーから、デジタコの装着が困難である旨の回答文書(書面やメール等)をもらい、当該回答文書の保存が必要となります。

安全取組の公表内容の拡充

インターネット等で公表が義務付けられている安全取組の内容として、初任運転者に対して行う20時間の実技指導の内容(実施ルート、時期、車種区分、指導の具体内容、添乗員の指導歴等)が追加されます。

2024年10月1日施行分(行政処分基準等の強化)

酒酔い・酒気帯び運転に係る行政処分基準が強化されました。

指導監督義務違反(新設)

酒酔い・酒気帯び運行が行われた場合において、飲酒が身体に与える影響飲酒運転、酒気帯び運転の禁止に関わる指導未実施の場合に処分が課されます。

初違反:100日車 再違反:200日車

点呼の実施違反(新設)

酒酔い・酒気帯び運行が行われた場合において、点呼が未実施の場合に処分が課されます。

初違反:100日車 再違反:200日車

行政処分等の基準について

貸切バス事業者に対する行政処分等の基準については、国土交通省自動車局長が発する「通達」と違反事項ごとの基準が記載された「別表」により定められています。

貸切バス事業者が法令違反を犯した場合、この通達と別表に基づき、行政処分又は行政指導が行われ、行政処分等の量定(基準日車等)が行われることになります。

例外などもありますが、基本的な行政処分等の基準について下記にまとめてみました。

行政処分等の種類

行政処分の種類には、自動車その他の輸送施設の使用停止処分(自動車等の使用停止処分)、事業の停止処分及び許可の取消処分があります。

また、これらに至らないものとして、行政指導勧告警告)があります。

なお、これらを合わせたものを「行政処分等」といいます。

初違反、再違反、塁違反

行政処分等を受けた日から過去3年以内に受けた同一の営業所における同一の行政処分等の回数により、「初違反」「再違反」「塁違反」に分けられています。

初違反1度も行政処分等を受けていない場合

再違反2度目の行政処分等の場合

塁違反3度目以上の行政処分等の場合

そして、同一の違反を繰り返すと、基準日車等が前回の違反の2倍の日数となります。

法令違反による点数制度

監査を行った結果、事業者に法令違反が見つかった場合、一定の条件のもと行政処分が下されます。

通常、自動車等の使用停止処分が行われますが、その基準日車等の合計(処分日車数)が10日車までごと1点の違反点数が課されます。

なお、10日車とは、1台の車両が10日間使えなくなることを意味しています。

この違反点数は、処分が行われた日から原則として3年の間累積され、累積違反点数により「事業の停止処分(累計51点以上)」や「事業の許可取消処分(累計81点以上)」といったより重い行政処分が行われます。

ただし、行政処分等を受けた営業所が、2年間行政処分等を受けていないなどの条件を満たした場合は、当該行政処分等が行われた日から2年を経過する日に当該違反点数が消滅するものとされています。

まとめ

貸切バス事業に限らず運送業の規制や罰則年々厳しくなってきています。

当然のことながら、ルールをきちんと守る事業者を残し、ルールを守れない悪質な事業者には早期に市場から撤退させるべく、今後も厳しくなっていくことが見込まれてます。

ですから、しっかりとルールを理解し、日頃から、各種帳票類の整備点呼時の確認の徹底を行い、違反・事故を引き起こさないよう常に注意することが必要です。

最後に、行政処分等の基準について、国土交通省の通達へのリンクを掲載しましたのでご確認ください。

>>貸切バス事業者に対する行政処分等の基準について詳しくはこちらをご確認ください。(令和6年9月19日国土交通省自動車局長通達)
>>貸切バス事業の違反事項ごとの行政処分等の基準について詳しくはこちらをご確認ください。(令和6年9月19日国土交通省自動車局長通達「別表」)

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