貸切バス事業の許可を受けて、運輸開始届を提出し事業を開始したら、それで安心というわけではありません。
事業拡大に伴って必要な変更手続き等を行い、法令に従って日々の安全運行に努めなければなりません。
また、事業者が適切に事業を運営できているかどうかを確認する方法として、近畿貸切バス適正化センターや近畿運輸局が巡回指導・監査を実施しています。
変更等手続き
毎年度提出が必要な書類
事業報告書
必要書類:事業概況報告書
損益計算書及び貸借対照表
事業損益明細書
事業人件費明細書
提出時期:毎事業年度経過後100日以内
提出先 :近畿運輸局長(運輸支局経由)
輸送実績報告書
必要書類:輸送実機報告書
提出時期:毎年5月31日まで
提出先 :運輸支局長
営業所・車庫等のに変更がある場合
必要書類:事業計画変更認可申請書
事業計画等【別紙②】
その他添付書類
※変更内容により異なります。
審査期間:申請から2~3ヶ月
提出先 :運輸支局長
車両の増減が生じた場合
必要書類:事業計画変更事前届出書
営業所別の事業用自動車の数
自動車車庫の位置及び収容能力
運行管理体制図【別紙②】
保険の見積書(増車の場合)
点検整備記録簿(中古車の場合)
提出時期:増減を実施する7日前まで
提出先 :運輸支局長
その他の変更(役員・名称変更等)
変更届出が必要なもの:役員、休憩・仮眠施設、
名称、住所、主たる事務所、営業所
名称、休止・廃止
必要書類:変更届出書
その他添付書類
※変更内容により異なります。
提出時期:遅滞なく(各種変更届出)
30日前まで(廃止・休止の場合)
提出先 :運輸支局長
運行管理者・整備管理者の変更
必要書類:運行・整備管理者選任等届出書
選任予定の方の資格者証等の写し
提出時期:選任又は解任した日から15日以内
提出先 :運輸支局整備部門
巡回指導
平成29年8月から民間の適正化事業実施機関(近畿運輸局管内は近畿貸切バス適正化センター)による巡回指導が行われています。
巡回指導のタイミングは基本的に年1回(新規事業者の場合は運輸開始後6ヶ月以内)とされており、貸切バス事業者安全性評価認定や運輸安全マネジメント評価を受けている事業者については、巡回指導の頻度が軽減刺される場合があります。
巡回指導では、主に次の内容について確認されます。
①許可、認可、届出等に係る事項の実施状況
②貸切バスの運行の状況
③車両管理及び施設の状況
④労務の状況
⑤その他巡回指導の目的を達成するために必要と認める事項
これらの巡回指導事項を「適」か「否」で評価し、その評価結果を集計しA~Eまでの5段階で分類されます。
「否」と判定した項目について、「改善要望書」が交付され、巡回指導の翌日から起算して30日以内に「改善報告」することが求められます。
この改善報告が適切に行わない事業者については、運輸局等への報告がされることになります。
巡回指導の段階では行政処分は下されませんので、この段階で指摘事項を修正し、きちんと改善報告を行うことが重要です。
>> 巡回指導の内容と対策について詳しくはこちらをご覧ください。
監査
監査は、貸切バスの安全性を高めるため運輸局が行う立ち入り調査です。
輸送の安全の確保が最も重要であるという基本的認識の下、特に次のような事業者に対して重点的に行われています。
・運行管理者又は整備管理者を選任していない
・運転者に対して全く点呼を実施していない
・営業所に配置している全ての自動車の定期点検整備を行っていない 等
また、過去の監査、行政処分等の状況、適正化事業実施機関からの情報、利用者からの苦情等を踏まえて効果的に実施されます。
貸切バス事業の監査には次の4種類があります。
①一般監査
②特別監査
③街頭監査
④指摘事項確認監査
監査の結果、法令違反が確認された場合には、自動車の使用停止処分等の行政処分等が下されることになります。
また、これらの法令違反による行政処分等の内容により違反点数が付され、この違反点数が累積することにより、事業の停止処分や許可の取消処分の処分が下されます。
>> 運輸局の監査の内容及び対策について詳しくはこちら
>> 貸切バス事業の行政処分等について詳しくはこちら
貸切バス事業の巡回指導・監査対策はお任せください!
ホームページをご覧いただきまして誠に
ありがとうございます。
行政書士の中村 武と申します。
幣事務所では、南大阪・和歌山地域を中心に、貸切バス事業許可申請、各変更手続き、巡回指導・監査対策など貸切バス事業の運営をサポートしております。
迅速・丁寧に対応することはもちろんのこと、事業者様のお話をしっかりと伺い、明るい未来が築けるよう手続だけではなく、将来の事業運営のことについても事業者様と一緒に考えサポートします。
大阪府・和歌山県を中心に関西全域に対応しておりますので、貨物運送事業に関するお手続きでお悩みの際は、ご遠慮なく当事務所へご相談ください。
旅客運送事業関連の主なお手続き報酬額
業務名 | 報酬額(税込み) |
事前認可申請 | |
更新許可申請 >> 更新許可申請について詳しくはこちら | 385,000円 |
事業区域拡大認可申請 | 385,000円 |
営業所・車庫新設認可申請 | 165,000円 |
変更届出等 | |
車両の増車・減車届出 | 22,000円 |
運賃・料金変更届出 | 22,000円 |
その他の変更届 | 22,000円 |
事業報告書の作成・提出 | 33,000円 |
輸送実績報告書の作成・提出 | 22,000円 |
巡回指導・監査対策 | |
月次顧問契約(月1回訪問) | 33,000円~ |
巡回指導・監査対策(スポット) | 110,000円 |
>> 詳しい業務及び報酬額についてはこちらをご覧ください。 |
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